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嘘と社会規範 [嘘と社会規範]

 今回は盛りだくさんの内容です。 
 まずは、土台として「嘘」や「社会規範」の捉え方についての参考となるものを紹介しておきます。
 私のバックボーンの一部ですので、これを読めば、私が言っている事の理解の補助になるかもしれません。
 というか、以降のapjさんや技術開発者さんへの返事を読む前に一読して!

【出典】
1 ウソ発見-犯人と記憶のかけらを探して-(北大路書房)
2 うそつきの進化論~無意識にだまそうとする心~(デイヴィッド・リヴィングストン・スミス著)
3 心理学辞典 CD-ROM版(株式会社 有斐閣)


【1 “ウソの心理学”序文】

 「我々は幼児のごとく,天真欄漫ではないし,完全に偽装できるわけでもない。我々は嘘をつけるし,真実を語りもする、また,欺隔を見抜き,見落としたりもする.ごまかされたり,真実を知りもするのである、我々にはいろいろな側面がある.これこそが人間の真の姿である」
 
 ポール・エクマン『暴かれる嘘』

 太古より人間は,ウソを戒め,ウソを楽しみ,時として政略的にウソを活用し,文化や社会生活を築き上げてきました。ウソのない人生を送ることは難しく,ウソのない人間関係を貫き通すのも困難と思われます。しかしながら,ウソはすべて肯定されるわけでもなく,むろん罪にいたるウソは罰しなければなりません。


【2 うそとは何か】

 うそについて考えるとき、まず頭に浮かぶのは、はっきりと言葉で表されたうそだろう。これをうそと考える立場を代表するのが哲学者のシセラ・ボクで、うそとはだますことを意図して言われた言葉である、と定義している。しかし、それがうそのすべてなのだろうか。マーク・トウェインはそうは考えず、こんなことを言っている。「考察を重ね、数学的に計算を行った結果、言葉に表されたうそとそれ以外の形で表されたうその比率は一対二万二千八百九十四だということがわかった。したがって、言葉によるうそなどたいしたものではなく、あれこれ騒いだり、重要なもののように思わせようとするのは意味がない」。私自身はボクよりもトウェインに同感である。トウェインの見方のほうがうそを幅広く捉えることができ、生物学的にも現実に即している。冒頭のエピソードに登場したポールとメルの例からわかるように、また、第2章の内容にも示されているように、だましはヒトという種だけに見られるわけではない。ほかにも多くの生物が目的を遂げるためにはいくらでもだまそうとする。したがって、私は次のように定義する。うそとは、どのような形であれ、他者に誤った情報を与える、もしくは正しい情報を与えないようにする機能のある行動形態である。
(中略)
 うそは意識して言われることもあれば無意識に言われることもある。言葉が介在することもあるし、そうでないこともある。きちんとした文で表せることもあればそうでないこともある。この点をじゅうぶんに把握しておかなければ、だましを総合的に理解することはできない。そしておそらく、それがこの章で扱うもっとも重要なポイントである。はっきりとした言葉で虚偽を述べることなく不正直さを発揮するものにどのようなものがあるか、少し考えてみることにしよう。豊胸手術、かつら、仮病、オルガスムスに達したふり、作り笑いなどは言葉が介在しないうそのほんの数例である。また、何かをほのめかすことによって巧みに相手の誤解を誘ったり、計算ずくであいまいな表現をしたり、重要な点をわざと省略するというやり方もある。ビル・クリントンが「そのルインスキー嬢とかいう女性と性的関係を持ったことはない」と断言して世間を騒がせたが、このような言葉の使い方がその典型である。
だましについて一般の人びとにはこんな思い込みがあるようだ。ふつうの慎みある人は、道徳的に見てしかたがないと思えるような状況に追い込まれないかぎり、ごくたまに小さなうそしかつかない。
 ときどき儀礼的に許される程度のうそをつく、という範囲を超える行為は、狂気か、心のねじれた犯罪者や弁護士、あるいは政治家の悪辣さの表れに違いない、と。さらにこの思い込みによれば、巧みなうそをつく人びとは自分が何をしているのかがわかっているはずとされる。事前に結果を予測し、自分がだましていることをはっきり認識しているという。自分ではそれと気付かずにうそをついている人は、よくても混乱しているといわれ、悪ければ正気を失っていると見なされる。しかし、進化心理学はこの誰もが受け入れやすい神話とはまったく反対の立場を取る。うそをつくことは例外的な行為ではない。ごく正常な行いであり、冷めた目で冷徹な分析に基づいて行われるよりも、反射的に意識せずに行われることが多い。偽りは私たちの心や体からにじみ出ているのだ。
 テレビ番阻のプロデユーサーであり、科学ライターでももるサンジダオコンネルは「誰でも絶えずうそをついている」と述べている。
大学生が母親と交わす会話ではその半分が、見ず知らずの相手との会話では八○パーセントの時間がうそに費やされている。……たいていは経済的な利益を得るため(一冊の本が、書店にあるときと親に伝えるときで違う値段になってしまうというように)で、友人に自分をよく見せようとして、あるいは、前の晩パブに繰り出したことを家族に隠し、勉強していたように見せかけるためにうそをつく。身近な相手にはあまりうそをつかないが、パートナーに対しては三度に一度はうそを言う傾向がある。これは親しい友人にうそをつく頻度を上回っている。
 自分の印象を少しでもよくするために日々行っている駆け引きにもだましは満ちあふれている。うそがあまりにもあたりまえになっていて、わざわざ考えてみることさえほとんどないというのがほんとうのところだ。立ち止まって、目を見開き、じっくり考えてみれば、人が偽りのためにする行為がどれほど広い範囲に及んでいるか、改めて納得がいくだろう。マサチューセッツ大学の心理学者ロバート・フェルドマンは実験対象となる人びとに自分の日常会話を記録させ、あとからビデオを見て何回うそを言ったかを数えてもらうという調査を行った。結果は、平均して十分の会話中三回うそをついているというものだった。頻度が高すぎるように思われるかもしれない。しかし、この研究対象となった人びとが、研究者に対して、あるいは自分に対して、100パーセント正直に答えたとは考えにくく、また、この研究で調べたのは明確な言葉で述べられたうその頻度だけだということを考えれば、偽りが行われる頻度は実際にはもっとずっと高いはずだ。
 私たちの見た目も、ほかの人びとに自分のほんとうの姿とはいえないものを見せようとして作り上げたものであることは珍しくない。社会学者のリチャード・アレグザンダーはこう問いかけている。
 「真実が私たちのほんとうの目的であり、目標であるなら、どうして朝起きた瞬間から、体型を実際よりよく見せる服を着、化粧をし、髪を整えて、まつげを長く見せたり、顔の輪郭をごまかしたり、はげを隠したりするのだろうか?」
 私たちはなぜ、起きている間中、寝る前も目覚めた後も、ひげを剃っているときも、シャワーを浴びているときも、着替えているときにも、どうやって今日これから会うことになっている相手をだますか、あるいはそれに近いことをするかを頭の中であれこれ考えてばかりいるのだろうか。
 できれば避けたい相手なのに、会ったとたん、いかにもうれしそうに声をかけるのはなぜなのだろう。
(後略)


【3 社会規範social norm】

 社会や集団において個人が同調することを期待されている行動や判断の基準,準拠枠(frame of reference)。これには行動の望ましさも含まれており,必ずしも社会や集団における平均的行動であるとは限らない。規範の影響力の程度に応じて斉一化への圧力が生じる。また規範の形態は公的なものから私的なもの,外顕的なものから内隠的なものまで広範にわたっており,規範の個人に対する強制力はそれに反する行動への制裁との関係で変化する[中略]。

(1)慣習(custom):生活上の必要に基づき反復される行動が自然に定着し,長期にわたって持続し成員が遵守している行動様式である。このなかで,役に立つとか便利であるということで自然発生的に固定した行動様式「習俗」(folkways)は,真実であるという信念が含まれており,規範とは意識されず制裁もおだやかである。伝統的に形成され維持されているが,時代に合わない旧習や迷信,偏見が固定したものを「因習」という。正しく真実であるという概念が強くなった行動様式「習律」(mores)は,成員にも遵守することが強く要求されて違反に対する制裁も明確なものとなる。

(2)道徳(moral):善―悪の判断基準という倫理的意味をもった規範体系であり,ドグマ化されているものが多い。遵守に対しては高い人格評価,賞賛があり,違反に対しては非難や軽蔑などの制裁がある。道徳のなかでも,集団成員に共有されかつ個人のうちに内在化されているものはエートス(Ethos)とよばれる。個人を内側から規定するものであり,違反に対する制裁もゆるやかである(Weber, M.1905)。

(3)法(law):公的権力によって規定され,全成員に対して普遍的に適用される顕現的な規範である。その強制力は特定の行為に対して限定的に行使される。一方で,個人の権利の保護,調整の機能をもつ権利規範でもある。

 以上のように,規範は共通の価値,行動様式への同調を促す社会統制の有力な手段となる。望ましい行動に対する賞賛,望ましくない行動に対する非難,処罰によって逸脱行動を防ぎ緊張解消の役割をもつ[後略]。
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